きょう何気なくネットを見ていると、たまたまこんな2つのニュースが流れてきました。
ひとつは、売れ残った節分の恵方巻が大量に廃棄されているというニュース。
もうひとつは、「廃棄される恵方巻をつくるのはやめにしよう」と訴えかける、兵庫県のあるスーパーのチラシが話題となっている、というニュース。
まったく別のところから流れてきたこの2つのニュースは、「恵方巻」というものを例にして、表と裏の両面からまったく同じ問題を浮かび上がらせています。
モノをつくっていればいい時代は終わりました。
どれだけ作るか、どれだけ売るかを競う時代も終わろうとしています。
これからはモノをつくる意味、モノづくりの姿勢が問われる時代になります。
中身を伴わない成長は成長ではなく、ただの膨張であることに誰もが気づきはじめています。
大量に廃棄された恵方巻からは、売り手の愛を感じることはできません。
スーパーのチラシからは、売り手の食べ物に対する敬意を感じることができます。
お客様との関係性の耕し、つまり(その商品を買ってくださる)ファンづくりをした上で販売数を増やし売り切ることができれば、より多くのひとを喜ばせているという点で、それは素晴らしい商いであると思います。
大量に廃棄された恵方巻の写真をみて誰もが違和感を感じるのは、お客様との関係づくりをおざなりにして、売り手の都合だけでたくさんの恵方巻をつくったことが透けて見える点ではないでしょうか。
兵庫の小さなスーパーは新しい価値を示してくれました。
ひとつひとつの企業活動による社会との関係づくりこそが、PRの本質です。
企業側が発信する意図的なメッセージだけをPRというのでは決してなく、すべての企業活動から透けて見える「姿勢」こそがいまの時代において何よりも大切なPRなのだ。
恵方巻をめぐるこの2つのニュースは、そんな「当たりまえ」のことを改めて教えてくれた気がしました。
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